19世紀:伝統と革新
19世紀は新旧が交替し、政治と経済に揺れた時代で、君主の没落や中産階級の興起が芸術に斬新な容貌をもたらしました。朝廷が好む歴史を題材にした精緻で優美な画風が依然主流である中、芸術家たちはモダニズムの興起に伴って伝統的な枠組みを打ち破り始め、彼らの想像力や興味を掻き立てる題材を創作の中に取り入れ、当時発生した事件を表現したり、社会の不安や醜さに誠実に向き合い、異国文化から経験を汲み取って、「知っている」或いは「学んだことのある」知識ではなく、その目で「見たもの」を表現するようになりました。この時の芸術創作の自由度と自己批判の力はやがて鑑賞者を次なる新紀元へと導きます。