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音楽の声:楽器製作、演奏、録音

本展では民族楽器、管弦楽団楽器、自動演奏楽器の3種類の奇美所蔵楽器を展示し、人類の創造力と優れた知恵の進化のもとで発展を遂げた楽器の多様な姿を紹介します。

2階 楽器ホール / 常設展



オセアニア
オセアニアは食べ物や住居、音楽にしても、生活の全てを天然環境がつかさどっています。この地域の楽器は特定族群の移転や一部の島の族群が持つ世離れした特質に伴って、それぞれ異なっています。しかし、木製や石製、手作り、天然のものに関わらず、オセアニアの楽器は全て大自然と密接に関わっています。


アフリカ
打楽器はアフリカ音楽に独特の反復する複リズムという特質の発展へと導きました。このような音楽の特質はアフリカの植民地化やアフリカ人が世界各地への移動を迫られたことによって世界中に広まります。アフリカ音楽はジャズやサンバ、R&Bやブルース、ロックなど現代音楽に対して深遠な影響を与えました。


ヨーロッパ
楽器の発明と製造は長期に渡る進化を経て、音楽家や製造業者が絶えず相互に影響し合うことで誕生していきました。ヨーロッパは異なる文化が隣り合い、交互に行き来するため、文化交流が頻繁で、歴史上でも常に新しい構想を促進するプラットフォームとなっています。工業化の影響を受け、ヨーロッパでもより複雑な楽器が創造されました。


西アジア 
西アジアは長きに渡って、旅人達がヨーロッパと極東を往来するための必須経路でした。その中で東方正教会を信仰する国は、教会が楽器の発展を奨励していなかったため、音楽家たちは東西洋から渡ってきた楽器を活用するしか出来ませんでした。反対に、当地域のその他の国々は独自の楽器を発展して海外へ輸出していました。例えば中東の弦楽器は、東洋に渡ると二胡へ変化し、西洋に渡るとヴァイオリンへと発展していきました。


東アジア
東アジアの発展では、地縁的に中華文化が中心で、政府や軍隊の経済貿易と文化等多方面による交流を通して、国家間の互いに似て非なる内包が形成されました。各種楽器は外形や材質、演奏姿勢が似ていることが多々ありますが、言語の違いによって名称は異なります。各国がそれぞれの文化の特色や好みを融合させ、独自の音楽伝統を発展していったのです。


アメリカ州
アメリカ州の先住民音楽は多くが人声に鼓や笛の伴奏を合わせたものでしたが、ヨーロッパ人やアフリカ奴隷の到来に伴い、斬新な音楽文化も生まれました。新たな族群は現地の材料を使って故郷の楽器を製作し、アンデス竪琴やギタロン、アパラチアン・ダルシマーなど、多くの楽器を再び創造したのです。これらの楽器を先住民たちは自分たちの音楽の演奏に取り入れるようになり、今ではアメリカ州共通の音楽文化の象徴となりました。